最強のメキシカンは悪魔との契りを交わしていた
2012年5月13日 16:59 | 気づき | Tag:非日常
リカルド・ロペスという元ボクサーをご存知だろうか。
1967年生まれの現在44歳。
元WBA・WBC・WBO世界ミニマム級、元IBF世界ライトフライ級の王者。
1985年のデビューから2002年に現役引退するまでの戦績が、52戦51勝0敗1分37KOというパーフェクトレコードの持ち主である。
曰く「小さな巨人」、曰く「エル・フィニート(素晴らしい)」と呼ばれた、90年代を代表するボクサーの一人だ。
このリカルド・ロペス。
初タイトル奪取の相手が実は日本人でして。
1990年10月に当時のWBC世界ストロー級(現ミニマム級)王者の大橋秀行から奪ったタイトルなわけでして。
大橋さんといえば、ボクシング中継などでたまに画面の端っこに映る小太りなおっさんですけども。
この人、当時は「150年に一人の天才」の異名を持つ日本屈指の強豪ボクサーだったんですね。世界王者不在が続いていた日本ボクシング界の現状を「最後の切り札」として打破するなど、その実力と知名度は抜群に高いものがありました。
で、先日の話である。
今から20年以上前のこの試合、リカルド・ロペスVS大橋秀行を観てみたわけだが。
寒気がした。
リカルド・ロペス、悪魔的な強さだった。
いや、悪魔がそこにいた。
150年に一人の天才が、世界初挑戦の若者を相手になす術もなく屠られる光景は戦慄そのものだった。
まさしく蛇ににらまれた蛙。完膚なきまでにという言葉がこれほどしっくりくる試合が果たしてあっただろうか。
ガードの間を通す正確無比なパンチ。それぞれが軽量級では類を見ないほどの貫通力を兼ね備え、確実に急所を打ち抜く。
まるで数メートル後ろに相手がいるかと錯覚するほどのパンチの伸び。
そして相手と自分の力量や体力差を分析し、その場その場で最も有効な戦術を選択する冷静さ。勝負どころの爆発力。
完璧だった。
すべてが完璧だった。
崩れ落ちる大橋。
「つ、強すぎるよ……」
彼の心が折れる音がはっきりと聞こえた。
結局ロペスはこの後10年以上にもわたって無敗街道を突き進み、結果22戦連続防衛という驚異的なレコードを持ったまま引退するわけだが、同国の英雄フリオ・セサール・チャベスをもってして「ロペスが同階級だったらとてもじゃないが勝てない」と言わしめるほど、その強さは化け物じみていた。
「強い者に憧れる」
「男なら一度は夢見た世界最強」
そんな根拠のないファンタジーが、悪魔と契りを交わした化け物によってボロぞうきんのように打ち砕かれる。
現実をまざまざと見せつけられる瞬間。
別次元の存在がそこにいた。
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