17年目の考察! とか

10年一昔とは言いますが。
17年とはこれなんぞや。
中途半端もほどほどにせい! と。

うん、まあいいや。

先日のことである。
ふと思い立って薬師寺保栄VS辰吉丈一郎の試合を観てみた。

1994年12月4日に名古屋で行われたWBC世界バンタム級世界王座統一戦、正規王者の薬師寺保栄と暫定王者の辰吉丈一郎とで行われた試合である。
史上初の日本人同士による王座統一戦であるとともに、当時カリスマ的な人気を誇っていた辰吉の世界戦とあって、日本中から注目される試合となった。
また、試合前から両者が容赦ない舌戦を繰り広げるなど、両陣営ともにこの試合にかける意気込みはヒートアップするばかりであった。

そして、今なおボクシングファンの間で語りぐさになる伝説の試合、その当日を迎えるわけである……。

え?
なんで今この試合かって?

いや、特に深い意味はないんですけども。
ホント、たまたま思いついたってだけの話で。

あまり追求しないでいただきたい。

で、感想をば。

スゴかった。

あいや〜……。

また言ってますね。

あいかわらずボキャブラリーの乏しい男です。

や、でもね。
めげずに言いますけど。

ホントにすごかった。

お互いのすべてをぶつけ合うような魂の闘争というか、何かもう、すべてが。

ああ、これは伝説になるわ。と。
今観ても、やっぱりそう思う試合でした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
第1R。
予想に反して静かな立ち上がり。
時折辰吉が鋭い出足から薬師寺の懐に入ろうとするが、ガードを高く上げた薬師寺はクリーンヒットを許さない。逆にオーソドックスな構えからのワンツーで辰吉の出入りを封じる。
両者目立ったクリーンヒットのないままゴング。

第2R以降は一進一退の攻防が続く。
天性の勘と格闘センスを全面に押し出した攻防一体のスタイルで前進する辰吉。ワイルドなパンチで薬師寺に襲いかかるが、薬師寺の高く上げたガードを崩すことができない。逆に薬師寺は、速射砲を思わせるシャープなジャブで辰吉の前進を寸断する。
辰吉は上体を振ってジャブをかわそうとするが、ノーモーションから繰り出されるフリッカー気味の左をさばききることができない。
決め手を欠く両者。だが、前進を続ける辰吉の顔が時折弾ける。
野性的な豪打の辰吉と基本に忠実でシャープな薬師寺。
切り裂くような薬師寺のパンチで辰吉の顔が徐々に紅潮し始める。

中盤第5R以降。
序盤から受け続けた薬師寺のジャブで、辰吉の左目が大きく腫れ上がる。
距離感を掴めず明らかにやりにくそうな辰吉。
前進する力に陰り。
薬師寺の拳が的確に辰吉の顔面を捉え始める。
だが辰吉も、被弾しながら前に出続け、時折薬師寺をロープ際に押し込む。
勝負所を見極める野生の嗅覚を発動し、ショートレンジでのラッシュを浴びせる。
しかし、薬師寺はうまく身体をいれかえ、冷静に辰吉の猛攻をいなす。
逆にジャブからのワンツー、ワンツースリーと立て続けに辰吉を捉える。
顔全体を腫らしていく辰吉。酷評され続けたガードの甘さをここでも露呈してしまう。

距離感が掴めないためパンチをかわせず、接近戦に持ち込もうにも鋭いジャブで寸断され、ロープ際でもうまく逃げられる。
徐々にジリ貧状態に追い込まれる辰吉。
倒すと公言していた7R、8Rが、逆に薬師寺の一人舞台となってしまう。
後は薬師寺が距離を保ちながら、出足の鈍った辰吉を淡々と切り刻んでいく。
そんな光景が続くかと思われた。
解説の具志堅さんも「やめさせた方がいい」旨の言葉を発するなど、試合は一方的になりつつあった……。

だが。
終盤。
辰吉があきらめなかった。
まさかの辰吉。
まさかの気力。
そのまま落ち続けると思われた出足。それを精神の力で持ち堪え、逆に薬師寺を押し返してみせたのだ。
その圧力によってか、若干ではあるが鈍り始めた薬師寺のパンチ。そしてフットワーク。
今まで寸断していた辰吉の前進を止めきれなくなる。

ついに薬師寺の顔面が腫れ、血が滴り始める。
だが、そこはやはり世界チャンプ。
こちらも気力で打ち返す。
幾度となく打ち続けた辰吉の左目を、さらに渾身の力で打ち抜く。

高度な技術と野生。魂のこもった壮絶な打ち合いのまま最終Rのゴングが鳴る。

結果は2-0で薬師寺の判定勝ち。
辰吉有利の下馬評を覆し、見事大一番に勝利した薬師寺。

変わり果てた姿で健闘を称え合う両雄に、惜しみない拍手が送られた。
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まあ、何はともあれ辰吉でしょうか。
展開としては、完全に中盤で勝負ありの流れだったんですけども。
後は淡々といなしていれば薬師寺が普通に勝ったはずの試合なんですけどね。
チャンスがあればKO狙ってもいいくらいの。
でも、そこから辰吉が精神力で強引に盛り返したってのがね。
この試合が多くの人の胸を打つ試合になった要因かと。

陳腐な言い方ですけど並のボクサーじゃないなと。
まあ、世界戦やってる時点で並なわけはないんですが。

でも、薬師寺って実はめっちゃいいボクサーでしたね。
当時はいまいち気づかなかったですが。
あの長身からのフリッカー気味のジャブはキレキレですね。
ちょうどウェルター級に上がったばかりのオスカー・デラホーヤのジャブを思わせるスピード感でした。

でもって、相手をよく研究してましたね。
ああすればこうくる。
こう動けばこうなる。
何千回と積み重ねた反復作業の成果が如実に出てるように見えました。努力は嘘をつかないというか。

後、まあ辰吉はね。
要するに喧嘩の天才なんじゃないかなと。
どういうんでしょうか。
全身凶器といいますか。
勝負勘の鋭さとその集中力とか。
でもあのスタイルだと、やっぱり目をやられて距離感が狂うと厳しいかと。
しかもガードが低いから不用意に被弾しやすいリスクもあり。
見る側としては、面白い試合になる確率が絶対的に高いから、人気も出るに決まってるわけですけど。

つか、あーだこーだ言ってますけど、正直こんな御託を並べていいようなチンケな試合じゃなかったことは確かです。
いいから観てみろと。
すごいからと。

17年目にして思うわけです。
今さら過ぎるけど。

感動したっす。
最高っす。

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