伝説の給食

自分で言うのもなんだが、好き嫌いは少ない方だと思う。

食べられないもの? 何だろう。セロリぐらいかな。
後、餅か。
子どもの頃、毎年正月に喉に詰めていたトラウマが今でも忘れられず。

後は強いて言うならうどんとか?
珍しいかな。でもあえて食べようと思わないですね。どういうわけだか。
富士そば行ってもね。
「そばとうどん、どちらに……」「そばで!!」と。
かぶせ気味にそば頼んでるなあと。

その他はどうだろ。
きんぴらごぼうとか?
ぶっちゃけて申し上げて、あんまり美味しいと思わないというか。

って、結構あるじゃねえか。

まあ、いいけど。

とまあ、そんな感じで好き嫌いが極端に少ない僕ですが、そんな僕にも未だに忘れられないほど不味かったものが一つある。

時を遡ること20数年。
小学校低学年時分のある日の給食にて。デザートで出されたメニュー、その名も「えびゼリー」である。

色は褐色。その中に同系色のえびが二匹。

正直なところ、ビジュアル的に優れているとは言い難かったのだが、給食が学校生活の楽しみの一つであった当時の僕は「デザート」という位置づけの品物に対してひときわ大きな期待を抱いていた。そのため、さしたる疑問も持たずに目の前のえびゼリーを口に運んだのである。
「さ〜て、デザートデザート♬」
ってなもんである。

目の前に置かれた褐色の物体を小降りのスプーンですくって一口。

一瞬の空白。
何が起きたかを理解するまでに数秒。

そして口内スパーク。

!!!!!!

「まっずっっ!!!! ってか、これ人の食いもんじゃねえ!!」

小学校低学年、年齢一桁台の何も知らないガキが味わった最初の衝撃と言っても過言ではないだろう。

何というか、口に入れてもそこから入っていかないのである。人間の反射神経というか自然の摂理というか野生の本能というか、喉が飲み込むことを拒否するのだ。肉体が拒否するのだ。細胞レベルで拒否するのだ。完全にシャッター閉めちゃうのだ。

ムリ!! これはム〜リ!!!
人体の構造的にムリ!!

冗談でもなんでもなく、汚い話だが、大便を口に含んだような感覚である。
まあ、大便を口に含んだ経験はないのだが。
それほどの不味さだったということで。

クラス中から悲鳴があがっていた。
すべからく同じ理由でである。

誰もがそのえびゼリーの衝撃に身悶え苦悩していた。

が、物語は終わってはいなかったのである。
本当のドラマはここから始まったのだ。

苦悶の表情でえびゼリーと格闘する面々に向かって担任が一言。

「食べきりなさい」

またまたまたまた……。

ハ、ハハ……。
そんなわけないじゃないっすか。

これを食べきれと?
冗談きついなあ……。

ハハ、ハハ……。

マジですか?

え? 何で?

えびゼリーの衝撃を遥かに凌駕するまさかの「食べきれ指令」である。
いつもはそんなこと言わないのに……。

まったく意味はわからないし理不尽極まりない話なのだが、小学校低学年の子どもにとって大人の言葉、それも担任の言葉というものがどれほどの重さを持っているかは想像に難くない。

もはや反論の余地はなかった。

僕たち私たちいたいけな小学生は、阿鼻叫喚、断末魔の叫び声とともに実に五時間目の開始のチャイムが鳴るまでの間、その憎々しい魑魅魍魎と格闘させられたのである。恐らく地獄絵図とはあのことを言うのだろう。小学生が理解するには重すぎる事実である。

結局、僕を含めクラスの半数が最後まで食べきることができずに温情ギブアップを許されたのだが、未だかつて味わったことのないほどの苦しい時間であった。
そして、仁王立ちする担任教師の姿。
不動明王がそこにいた。

年月は流れ、僕も大人になったが、あの時の苦しさを超える衝撃には未だ遭遇したことがない。失恋の辛さも病気の苦しさも、あれに比べれば蚊に刺されたようなもんである。

まあ、今になって冷静に考えれば明らかにパワハラというヤツなのだが、20年以上経った今でも克明に覚えているほどの衝撃を与えてくれたことに関して言えば、ネタとしても使い回せるし、よかったっちゃあよかったのかも知れない。

いや、よくねえよ。いいはずねえよ。

あっぶね!!

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やきう

2012年のプロ野球が大詰めを迎えている。

ペナントレース上位チームによる日本シリーズ進出をかけたクライマックスシリーズ。セパともに連日、ひとときも目を離せない熱い試合が展開されている。
贔屓チームであってもそうでなくても、選手たちの熱を帯びたプレーには心動かされるものがある。
どのチームも選手も、最後まで諦めずにがんばって欲しいものである。そして、最後の最後まで我々ファンを楽しませていただきたいものである。

それはそれとして。

今年は多くの大物ベテラン選手が引退を表明した年でもあった。

鉄人と呼ばれた阪神の金本。
ミスターホークス・小久保。
メジャー帰りの強肩・田口壮。
お金を払って観る価値があると言われた守備の達人、中日・英智。
天才打者・ロッテ今岡。
たった四年でカープに愛された男・石井。
近鉄バファローズの優勝を知る男、オリックス北川。

パッと思いつくだけでもこれだけの大物ベテラン選手が今シーズンでの引退を表明している。
プロという世界が、栄枯盛衰の理と常に隣り合わせであることは重々わかっているつもりだが、やはり一時代を築いた選手達が現役を去るのは残念だ。僕にとってもど真ん中の世代の選手たちだけに、その淋しさはひとしおである。

現役を退く彼らの前に広がる第二の人生を、一ファンとして心から応援していきたい所存である。
僕ごときが応援しても何の助けにもなりゃしないだろうが。

そして、何年かしてコーチ、監督などで現場復帰する姿を期待しようと思う。

いや……。

それもね……。

ちょっと微妙なんですよね。

何がって?

アレですよ。

引退して何年後かにね。
コーチとかで現場復帰するじゃん。
で、「おお、懐かしい!!」と思って見るじゃん。

変わり果ててるじゃん。

みたいなね。

いや、しょうがないのかも知れないんですけどね。

あのカッコ良かった選手がね。
引退してたった数年でね。

そこまでかと。

切なくなるんですよね。

もうちょっと、あの。
おもひでをさ。

俺が好きだったあの頃のさ。

みたいなね。

でもまあ、逆にね。

ものっすごい引き締まった身体のままね。
シブいおっさんになってたりするとね。

すっげえテンション上がるの。

何でかわからないんですけど。

だから僕は思うわけですよ。

通はコーチを観なさいと。

意外と「ああ、あの人が!!」って場面に出くわすから。

有名どころで言うとね。
あの橋上が巨人でコーチやってるとか。
しかもあの秦も巨人にいるのね今。

なんで?

とかね。
いろいろ面白いんですよ。

橋上さん、案外引き締まってるし。

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ヨーソロー! 舵をとれ! 進路は東へ

なぜか思い立って長渕剛の「captain of the ship」を聴いてみた。

実に全編30分を超える大作で、長渕のおっさんがひたすら「ヨーソロー!!」と叫び続けるという伝説の一曲である。
まあ一言で言って、ふっきれちゃってる曲だ。

なぜ今長渕剛?
そしてなぜ「captain of the ship」?

僕にもよくわからない。
とりあえず聴いてみた。
ホントの思いつきで。

「長渕剛」
魂を震わせるような歌声と熱い言霊に乗せた歌詞が特徴の、まさしく日本を代表する歌手の一人である。
腹の底から吐き出すような彼の歌声にハートを鷲掴みにされたファンは多い。
特に男性からの支持は高く、心から彼に心酔しその存在を神格化するほどの熱烈なファンも存在する。
またプロボクサーの戸高秀樹やプロ野球選手の清原和博、格闘家の山本”KID”徳郁や大相撲の朝青龍など、いわゆる「肉体派」の著名人たちから兄貴分として慕われるような一面も持っている。

テレビ画面からも伝わる一種独特な雰囲気は、彼が唯一無二の存在であることの証明といえるだろう。

正直に申し上げると僕自身、長渕さんのことは昔からあまり好きではなかった。
なぜかというと、彼の書く歌詞が僕にはどうも受け入れられなかったのだ。

「前を見ろ」
「立ち向かえ」
「挫けるな」
「男」
「立ち上がれ」
「叩き潰してやれ」
「明日を見ろ」

彼のこういった詩を聴いた人たちは往々にして「元気になる」「勇気づけられた」「伝説だ」「心が震える」「生き方変わる」という賞賛を惜しまない。

だが、彼の自分を鼓舞するようなストレートな言い回しが、僕にはどうにもこうにも受け入れられなかった。いいようのない違和感を感じ得なかったのである。

世の中の人たちは、常に大小さまざま挫けつつ、それでもふらふらしながら日々を歩いていて。
そんな人たちに「立ち上がって男見せろ」とか「挫けるな」とか、いまいち説得力がないんじゃないかなと。生き方なんか変わんねーよと。

はったりかまして、それがバレてすげえカッコ悪くて、それをごまかして。でも見透かされて、さらにダサくて。
へこまされて跳ね返されて、立ち上がれないほど落ち込んで。
でも明日もまた起きて仕事行って。

いろんなカッコ悪い自分を受け入れて、小さな幸せ噛み締めてって。
それが人生なんじゃないの? って僕なんかは思ってまして。

だから「真っ直ぐ進め」とか「折れるな」とかね。ものすごい無責任な言葉に聞こえるなあと。
そう思ってたんですね。

やっぱ長渕好きくないわ〜と。

まあ、そんな感じのテンションで聴いたわけなんでね。
大体結果は見えてたんですね。

神だった。

いや〜〜〜、申し訳ない。
理屈とかいらないっすね。

そうだよ。
進路は東だよ!!

まったく意味はわからんけども。

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